トスカーナってある意味不幸な土地。人気な上にピエモンテと違って貴族の荘園の影響で畑1つ1つが大きめだった為、外資が入りやすく、ワインは一気に国際化が進んでしまったんです。
■サンジョヴェーゼらしさ
シエナの東南に位置するサンタ10は、今や貴重な存在なんです。当主、ジャンニの奥さんはパーチナの奥さんと姉妹なので仲良く、ワイン造りもパーチナと考えを同じくします。国際化とは正反対。
現代サンジョヴェーゼはフレンドリーで早くから柔らかくタンニンは細かく甘い。これに対してサンタ10は人を寄せ付けない強さがあり、硬くタンニンは大きく乾きます。ラベルと正反対…。
■サンジョヴェーゼとは何か
でも、ちょっと立ち止まってみて下さい。サンジョヴェーゼが好きな人、トスカーナ料理を食べる時、本当にフレンドリーで細かいタンニンの甘いワインが飲みたいですか?レバーペーストから始まり、サラミ、猪ラグー、ガリっと焼けたビステッカに国際化されたサンジョヴェーゼでは受け皿にならないような気がするんです。
■農民ブレンド
サンタ・スービトはカナイオーロ、チリエジョーロ、コロリーノの農民ブレンド。なんともダサい力の抜けた水平的に広がるワインはレバーペーストと飲むとなんの違和感もないんです!今回のサンタ・スービトは大傑作。カナイオーロの本当の良さが味わえますよ。絶対試して下さい。※残り86本
カルレオーネのキャンティは美味しいんです!でも、レバーペーストではないんですよね?東京やコペンハーゲンのお洒落なスタンディングバーのイメージでしょうか?(ちょっと憧れます)(実際、東京ではそういう店の方が多いし)
■クラシック・サンジョヴェーゼ
ガリっと焼けたビステッカには粗塩と黒胡椒、オリーブオイルでサンジョヴェーゼ主体のサンタ・ディエチでしょう!少し荒々しいくらいのタンニンと太い酸と力強さは肉の余韻の長さと同じ長さ。同じ方向性です。旨いんです!
サンジョヴェーゼを使って、すぐ飲める美味しいワインを造るのは世界枠の飲み手目線ですが、当主ジャンニにとっての理想のサンジョヴェーゼはトスカーナでしか出来ないサンジョヴェーゼの地酒、原型なんです。
ピエモンテでは伝統派バローロが人気ですが、何故かトスカーナでは現代派しか人気がない。不思議ですね。こんな伝統的サンジョヴェーゼは無くなってほしくないものです。
\\\茶色いワイン///
そして大人気のオレンジワイン、いや茶色いワイン!サンタ・トレ2023も入港!今回、ちょっとボトル毎にバラツキがあるようなんです。還元していたり、凄く開いていたり…。先日の京都試飲会では還元していて少し心配だったんですが岡山では還元は全くなく…。
2023は生産量が1タンクのみで1,500本だったのでノン・フィルターでボトリングする時に下の方のロットは澱が入ったのかもしれません。生産本数が少ないと、ギリギリまでボトリングしようとしますから。ただ酷い還元ではなく、スワリングするだけで弱まっていきます。ボトルを開けて還元してたらデキャンタするか少し時間をおいてから飲んでみて下さい。
こちらは4,900円!お見逃しなく!
http://inagakishoten.com/wp-content/uploads/2025/06/NEW-Santa10.pdf